頚椎症性神経根症手術による症状の改善と効果

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医療
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頚椎症の外科手術を受けた本人が…

頚椎症による症状がどのようなもので、
どのように回復しつつあるかを纏めた記事です。

頸椎症を患っている方は、その辛さから解放されたくて外科手術を検討している方もいると思います。

しかし、世間一般には頸椎の外科手術はリスクが大きいと言われており、手術に失敗した場合は下半身が動かなくなるかもしれないとまで考えると、幾ら症状が辛くても、そうは簡単に踏み切れるものでは無いと思います。

この記事では…

筆者本人の頸椎症による症状や体の状態が手術を受ける前と後でどのように変わったか

を書いています。
頚椎症の痛みや痺れや筋力の低下や萎縮に苦しんでいる方が、この記事を読むことでご自身の治療の参考になれば幸いです。

頚椎症(神経根症)による症状

頚椎症性神経根症と頚椎症性脊髄症の一般的な症状については以前の記事「頚椎症性神経根症・脊髄症の治し方(保存療法と手術)」で書いていますのでそちらをご覧ください。

ここでは筆者自身の症状がどのようなものであったかを説明します。

MRI画像による診断結果

まず、筆者自身の手術前における頸椎MRI画像です。頸椎の真ん中あたりを縦に切った断面です。

二つ目の画像はC5-C6の椎間板辺りを水平に切った画像です。C5-6の椎間孔が左右共に狭く、特に右椎間孔(画像でいうと左側)が狭くなっていることが分かります。ほんのわずかな隙間しかありません。

三つの画像はC6-C7の椎間板辺りを水平に切った画像です。C6-7の椎間孔が左右共に狭くなっており、特に右椎間孔(画像でいうと左側)は全くと言っていいほど隙間が無いように見えます。

この画像による診断結果は

頚椎MRをみました。
アライメントが悪いですね…C5,6,7に骨棘形成があって、C5-6,C6-7レベルは椎間板に沿って骨髄が脂肪髄化しているので、年余にわたる負荷がかかっている状態です。C3,4にも骨棘があります…
横断像ではC3-4に小さな正中型ヘルニアがあります。
頚髄への圧迫所見はないので、これは無視して大丈夫でしょう。C4-5も正中型のヘルニアがあります…
これは頚髄の圧排があって右神経根に触れてはいないけどそれなりに脊髄症状を作るかもしれません。C5-6は骨棘が脊柱管と右椎間孔に飛び出てて…
頚髄の圧迫と右神経根の圧迫を起こしています。これは痛そうだ。責任病巣でしょう。C6-7は正中型ヘルニアがあって骨棘は…
右椎間孔に進展していますね。右神経根がみえないから圧迫されていそうです。
C6-7は左神経根もはっきりみえないから、手術後に左が痛くなった、なんてこともあるかもしれません。現状で…頚髄の信号異常はないのが幸いでしょう。
診断は多発ヘルニアと頚椎症・右神経根症です。

とのことでした。

画像診断のプロフェッショナルである株式会社YUCOM. 3Wise Radiology(ユーコム スリーワイズ レジオロジー)の小橋代表によるに診断です。

本人による自覚症状

画像診断では脊髄と神経根の両方に神経圧迫の所見があるということでしたが、本人は脊髄圧迫による症状を自覚していませんでした。

それは余りにも右上半身の症状が酷かったためにマスクされていてわからなかったのだと思います。

最初に顕著な症状が出たのは2011年頃でした。右肩が異常な程に凝るようになりました。財布が入っている程度のカバンを肩にかけているだけで、どうしようもない位に肩が凝りました。今振り返ると、当時より数年前から右手の指や手の甲に痺れが出て、皮膚感覚が時折なくなっていたことがあり、それも神経圧迫による症状であったのだと思います。

その後数か月して、今度はジムでマシンチェストフライをやっているときに、突然右上半身が力めなくなりウェイトが上がらなくなりました。

How to Do Chest Fly Exercises on a Machine

その時は右胸の大胸筋が力めないのだと思っていましたが、車を運転した時に右手でハンドルを回せないことに気が付きました。これは右腕を使った押す動作と引く動作ができないということで、力めない筋肉は大胸筋だけではなく、背中や腕の筋肉も…ということになります。

それでも、この時は原因がわからず、ただ筋肉を傷めただけだろう、そのうち治るだろうと思っていました。実際、二ヶ月ぐらいすると、弱くなった筋肉を庇うように身体を使って見かけ上はマシンチェストフライやハンドルを回せるようになりました。

それからさらに数か月後が過ぎた2012年頃、今度は背中が酷く凝るような痛みに襲われました。首の後ろから右肩甲骨の内側に掛けてです。このころからギックリ腰も頻繁にやるようになりました。

あまりに酷いので、友人の勤務する病院でMRI検査を受けました。

その時の診断は

「頸椎にヘルニアがあります。これが痛みと力が入らない原因だと思います。
痛み止めを出しておくので、飲んでください。酷くなるようならまた来てください。様子をみましょう。」
「後…、理学療法を受けるといいのですが。」

でした。

友人の勤務する病院で頸椎ヘルニアが原因だと言われたとき、私のこの病気に対する知識は殆どありませんでした。椎間板が神経を圧迫して痛くなるのが俗に言われる「ヘルニア」であり、筋肉が萎縮して力が全く入らなくなったり、身体のバランスが崩れて脊椎が歪み、夜も眠れなくなるほどの痛みが襲ってくるとは想像していませんでした。

2014年頃になって、右肩の痛みが酷くなりました。この頃、背中の痛みはなくなっていましたが、それは神経が慣れてしまったことによるものだと思います。頚椎症性神経根症の治療は痛み止め等を使った保存療法が一般的ですが、それは急性期の痛みを薬で抑えて、神経が圧迫になれるまで我慢するという治療です。決して「治る」訳ではありません。

右肩の痛みは神経根の圧迫によるものと、肩回りの筋肉に力が入らなくなり肩関節を安定させることができなくなったことによる肩関節周囲炎と思われます。頚椎症の方は肩関節周囲炎を併発していることが多いそうです。

また、時期を同じくして、床やベッドで枕を使わずに仰向けで横になることができなくなりました。頭の位置を高くしないと首や肩が異常な程に凝るのです。最初は頭の位置を少し高くすれば楽になったのですが、それから一か月もすると辞書を枕代わりにしないとダメでした。そして、首と肩は激しく痛んでいました。気を付けていてもギックリ腰をすぐにやってしまいます。

2015年頃は、右腕全体が重く痺れるような感覚が続くようになりました。指先まで痺れていました。血流が悪くなっているのも感じました。amazonで円皮鍼という置き鍼を購入して、首・腕・肩・背中・胸の症状が酷い所に貼っていました。一回で10カ所以上に円皮鍼を貼るので鍼はあっという間に無くなってしまいます。それだけでは耐えられないので毎週鍼灸に通っていました。酷い時は週に二回通いました。

2017年になると、今までジムで扱っていたウェイトを持ち上げれられないことがありました。そして、2017年の秋ごろ、完全に右大胸筋に力が入らなくなりました。年末には右三頭筋と右広背筋も力めなくなることあり、年明けには全く力が入らなくなりました。肩・首・背中周りの凝りと痛みは相変わらず酷く、右手は指先の痺れと痛みもあり握力も低下していました。

そして、この頃から右上半身の筋委縮が目立つようになってきました。胸、肩甲骨回り、広背筋、上腕三頭筋は明らかに萎縮して、左上半身と比べると二回りも三回りも小さくなっていました。

痛み・痺れ・筋力低下・筋委縮以外の症状

2015年頃から身体の歪みが酷くなっていました。頚椎症による痛みを和らげるために身体が自然と神経圧迫を避けるようになるのと、筋力低下のためだと思います。2018年に撮影したMRI画像では脊椎がs字状に歪んで捻じれまで出ていることが分かりました。この歪みによる全身の凝りや足腰の痛みは酷かったです。

頚椎症の手術を受けてどうなった!?

2018年10月に、筆者は頚椎の手術を受けました。骨棘と椎間板ヘルニアによる頚椎神経根の圧迫を取り除くための手術です。お世話になったのは品川志匠会病院の土屋直人医師です。土屋医師はMacF(Microscopic anterior cervical foraminotomy)といわれるキーホール手術の達人です。

MacFについては以前ブログ記事「頸椎症を完治させるための二種類の手術(神経圧迫による痛み・痺れ・筋力低下・歩行障害・等々の完治)」をご覧ください。

筆者は脊髄圧迫があるものの、それによる自覚症状があるのかないのかわかりませんでした。診察上は無いということになるので、まずは神経根の圧迫による症状改善を目的としました。

土屋医師の患者に寄り添ってくださる丁寧な説明とYUCOM代表の小橋医師の的確な説明により、神経が受けてしまったダメージの度合いにより、手術後の回復度合いが異なること。つまり完全には元に戻らない場合が十分にあることと、一部の神経圧迫を解除することで別の神経根や脊髄の圧迫による症状が出る場合があることを理解した上での手術でした。

これまで3回のMacFを受けました。最初はC6-7右椎間孔、二回目はC5-6右椎間孔、三回目はC6-7左椎間孔です。

最初の手術後の変化は劇的でした。

首、肩、腕、背中の激しい痛みが消え、本当に何年振りかで眠れました。痺れや脱力は残っていましたが、眠れるようになったこと、歩くときに俯いていたのがまっすぐ前を向けるようになったことなど、本当に嬉しかったのを覚えています。手術翌日には外出許可が出て、病院の周りを5-6キロ散歩しました。

それから一か月も立たないうちにC5-6右椎間孔の圧迫による症状が顕著に出てきました。痛みと脱力です。脱力症状は出てきたというよりも、既にあったものがよくわかるようになったという感じです。右C6-7の症状が酷すぎてマスクされていたのだと思います。圧迫を解除された神経により支配されていた筋肉が動くようになったことでC5-6の症状がこれほど強いと分かったのです。

二回目の手術後は、自分でも本当に驚くくらい右半身の感覚が変わりました。これが正常な感覚だったのです。動くようになったと言っても筋力はすぐに回復しませんし、ダメージを受けた神経は回復するまでに数年かかる場合もあるとのことですので、以前と変わらずというわけではありませんが、少なくとも、体の歪みが良くなっていることが分かります。歩いている感覚から違いました。

それから二ヶ月ぐらいして左C6-7の圧迫による症状がよくわかるようになったため、つい先日の2019年3月末に三回目の手術をしました。

手術した三カ所の症状は最初から分かっていたのですが、手術を受ける前は、ここも痛い、ここも痺れがある…程度の表現でした。ところが実際は全部重症だったのです。

実は、C5-6右椎間孔圧迫による症状も三回目の手術前から感じています。これが実際にどのくらい酷いものなのかは1-2ヶ月すると分かってくると思います。

患者の立場としては、一度に3カ所4カ所を手術して欲しかったのですが、MacFは一カ所ずつの手術しかできないそうです。

今は無くなってしまった筋力の回復を頑張っています。これにより姿勢が変わっている実感があります。身体の歪みが改善すればと願うばかりです。腰の痛みは驚くほど改善しつつあります。

鍼や薬で保存的治療をするか手術をするか?

頚椎の手術は簡単なことではないし、それなりのリスクも伴います。しかし、手術の効果は素晴らしいものです。しつこい痛みや、力の入りにくい筋肉があったり、姿勢が崩れ始めているようでしたら、筆者は手術をお勧めします。それは自分自身を振り返って、最初の症状が出たときに手術を受けておけば良かったと思うからです。手術を受けるまでの苦しみや、損傷した神経、動かなくなった筋肉が今後どこまで回復してくれるのかを考えると、保存的治療の方が良いとは思えません。

頚椎症で悩んでいる方の参考になれば幸いです。