事業系ごみは一般的な家庭ごみとは処理方法が異なるため、処理には料金がかかります。
初めて事業系ごみの処理をする場合、料金がどれくらいかかるのか不安な人もいると思います。
市区町村によって料金に差があるため、事業所のある自治体の役所または、役所のホームページで確認すると安心です。
事業系ゴミは、事業主が責任を持って廃棄するよう法律で定められています。
この記事では、事業主が知っておくべき事業ゴミを廃棄する方法と、必要な回収料金について説明します。
例として、いくつかの市区町村で定められている料金や、委託する場合の料金相場も紹介するのでお役立てください。
事業系ごみの処理にかかる料金とは
事業ゴミとは事業活動によって生じたゴミのことで、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の2種類に分類されます。
処分方法には、次の3つの方法があります。
通常は1または2の対応となります。
自治体の処理施設に持ち込む場合はごみの量や種類ごとに、各市区町村でごみ処理手数料が決められています。
一部の自治体では行政による回収も行なっています。
- 自治体の処理施設へ自己搬入する
- 許可業者に収集・運搬を委託する
- 行政に回収してもらう(※)
※自治体によって対応が異なります
市区町村別に事業系ごみの処理にかかる料金の事例を紹介
例としていくつかの市町村で事業系ごみの処理にかかる料金を紹介します。
自治体によって料金が決められているため、同じ県内でも地域によって異なることがあります。
東京都墨田区の場合
※2023年1月時点の情報です。最新の情報は必ずご自身で確認してください。
東京都墨田区で事業系ごみを処理する場合の大きな特徴は、以下の通りです。
- 区専用のごみ処理券を購入してごみ袋に貼ることで、近くのごみ集積場に出すことができる制度があります。
- この制度を利用できるのは少量排出事業者に限られます。その他の事業者は民間の業者に回収を委託する必要がある。
- ごみ処理券で出せるのは可燃ごみ・不燃ごみ・資源のみです。粗大ごみや不用品、機密書類は業者に依頼する必要があります。
- 日量平均50kgまでが目安です。これ以上出る場合は、民間の廃棄物業者に回収を委託する必要があります。
墨田区のごみ処理券の値段
ごみ処理券の料金は23区統一ですが、区ごとに専用となっています。
他区発行のごみ処理券は墨田区では使えないので注意しましょう。
券種(販売単位) | 料金(税込) |
---|---|
小・10リットル(10枚1組) | 760円 |
中・20リットル(10枚1組) | 1,520円 |
大・45リットル(10枚1組) | 3,420円 |
特大《軽量ごみ用》・70リットル(5枚1組) | 2,660円 |
墨田区のごみ処理券が買える場所
- 区内コンビニエンスストア各店舗
- 区の清掃事務所
- 上記の他、『ごみ処理券取扱所』の表示のあるお店
※店舗によっては複数の区の処理券を扱っている所もあるので、購入する際は、必ず墨田区のものであることを確認しましょう。
愛知県名古屋市の場合
※2023年1月時点の情報です。最新の情報は必ずご自身で確認してください。
愛知県名古屋市で事業系ごみを処理する場合の大きな特徴は、以下の通りです。
- 行政によるゴミの収集は行なっていません。
- 許可を受けた業者に回収を委託するか、市の清掃工場へ自己搬入することになります。
- 市から許可を受けた業者に委託する場合、手数料は消費税等を含めた上限金額で1kgまでごとに50円(市の処理施設に搬入する場合、市の処分手数料20円を含む)かかります。
- ただし、ゴミの収集や運搬、処分以外の業務を委託する場合、別途料金が必要になります。
市の清掃工場へ自己搬入する場合の費用
ゴミが発生した区の環境事業所にて事前に手続きが必要です。
清掃工場へ搬入可能な品目と料金は以下とおりです。
品目 | 価格 |
---|---|
事業系一般廃棄物(可燃ごみ) | 1kgあたり20円 |
不燃ごみ・粗大ごみ | 1kgあたり20円 |
大阪府和泉市の場合
※2023年1月時点の情報です。最新の情報は必ずご自身で確認してください。
大阪府和泉市で事業系ごみを処理する場合の大きな特徴は、以下の通りです。
- 事業系ごみの処理費用は
ごみ処分手数料(指定袋購入費用)+収集運搬料金です。 - 指定袋には45リットル(70円/枚)と70リットル(100円/枚)があります。
- 週当たりの収集回収によって費用が変わります。
が多いほど、1袋あたりにかかる処理料金が異なるのが特徴です。
事業系ごみの収集運搬費用
大阪府和泉市の場合は袋の容量や週の収集回数によって費用が変わります。
そのため、ごみの量だけでなくなるべく収集回数を増やさないよう処理するのが賢い方法と言えます。
収集運搬料金
収集回数(週あたり) | 袋ごとの料金 |
---|---|
2回まで | 45リットルの袋1袋につき88円 70リットルの袋一袋につき132円 |
3~4回 | 45リットルの袋1袋につき110円 70リットルの袋一袋につき165円 |
5回以上 | 45リットルの袋1袋につき132円 70リットルの袋一袋につき198円 |
指定袋費用
指定袋サイズ | 費用(ごみ処分手数料) |
---|---|
45リットル | 1枚70円 |
70リットル | 1枚100円 |
神奈川県横浜市の場合
※2023年1月時点の情報です。最新の情報は必ずご自身で確認してください。
神奈川県横浜市で事業系ごみを処理する場合の大きな特徴は、以下の通りです。
- 業者への委託や焼却工場への搬入が選択肢になります。
- 小規模の住居併置事業に限り、行政の回収を利用できることがあります。
要件を満たし届け出を行えば、事業から出たゴミでも処理手数料が不要で市に収集してもらえます。 - 届出書は区の資源循環局の収集事務所と一般廃棄物対策課で配布されており、提出先は資源循環局の収集事務所です。
- 市の焼却工場へ自己搬入する場合、一般廃棄物が生じた区の資源循環局収集事務所へ事前申請が必要です。処理費用は、動物の死体およびし尿以外の一般廃棄物は1kgにつき26円です。
静岡県藤枝市の場合
※2023年1月時点の情報です。最新の情報は必ずご自身で確認してください。
静岡県藤枝市で事業系ごみを処理する場合の大きな特徴は、以下の通りです。
- 許可を受けた業者に回収を委託するか、指定の清掃工場へ自己搬入する必要があります。
- 清掃工場に自己搬入する際は処理手数料が必要です。
50kg以下は無料、50kgを超える場合、全体の重量に対して10kg当たり146円(税込)です。 - 破砕が必要な燃やすごみのうち、サイズが大きいものを搬入する場合は、午後3時までと時間が決まっています。
神奈川県相模原市の場合
※2023年1月時点の情報です。最新の情報は必ずご自身で確認してください。
神奈川県相模原市で事業系ごみを処理する場合の大きな特徴は、以下の通りです。
- ごみ処理手数料は3年に1度の周期で定期的、継続的に見直しを行うこととしています。
- 許可を受けた業者に回収を委託するか、指定の清掃工場へ自己搬入する必要があります。
- 清掃工場に自己搬入する際は処理手数料が必要です。
動物の死体およびし尿以外の一般廃棄物は、10kg当たり260円です。 - 許可を受けた業者にごみの収集運搬処理を委託する場合は、その許可を受けている業者と契約しなければなりません。
業者に委託する場合は、契約に基づく処理費用が必要です。
面倒な処理は委託業者に依頼するのがおすすめ
市区町村ごとに料金に差があるだけでなく、処理の手順にも違いがあります。
さらに、市区町村によっては手順が煩雑なケースもあります。
一例として、自分で処理施設に持ち込む場合は、捨て方や曜日・時間帯など細かなルールを確認した上で、それに従う必要があります。
また、自治体によっては処理を受け付けていない事業系ごみもあります。
日常業務の合間に一般事業系廃棄物を持ち込むのは大きな負担になると思います。
面倒な事業系ごみの処理は、委託業者に依頼することをお勧めいたします。
委託業者に依頼した場合の料金相場
2022年に独自調査をしたところ、委託業者に依頼した場合の料金相場は、週に1回の定期回収契約の場合で、1回1万円程度でした。
ただし、ごみが事業系一般廃棄物と産業廃棄物どちらに分類されるか、ごみの種類や契約する量やプラン内容はどうするか、等々によって料金は異なります。
相見積もりを取り、安心して依頼できる業者や料金プランを選ぶとよいと思います。
まとめ
- 事業系ごみの処理方法は、自分で処理施設に持ち込むか処理業者に委託するかの2種類です。
- 持ち込みの場合は各市区町村で定められた細かなルールを守り、適切に処理しなければなりません。
- ルールを順守しなければ法律で罰金が科せられる場合があります。
必ず、詳細は各市区町村のホームページで最新の情報を確認しておきましょう。
不明点があれば各市町村へ問い合わせましょう。 - 処理業者に委託する場合は持ち込みよりも料金がかかります。しかし、面倒な作業を任せられる上に時間の節約にもなります。
委託業者は独自の料金設定をしています。複数の業者を比較して検討することをおすすめします。