スポンサーリンク

フルボ酸フミン酸とはミネラルなのか?

フルボ酸、フミン酸って、いったい何なのでしょう?
今日はこの疑問に関する答えです。

フミン酸・フルボ酸は腐植物質です。土壌の中に堆積した、動物や昆虫や植物やプランクトンなどの死骸(有機物)が、長期間に渡り微生物の分解作用を受け、腐熟し、土壌の中の有機物として残ったものの総称です。天然有機物を主要成分とする高分子です。
腐植物質は、土壌生物や微生物のための食べ物です。住処でもあります。腐植物質は土壌生物や根のl働きなどを通して、さらに熟成を続け、「熟土」を作ります。
森林から流れ出す腐植物質(フルボ酸・フミン酸)を含んだ水が田畑を潤し、河川や海の植物プランクトンや藻を育てます。その結果、動物プランクトンや魚介類を豊かに育てることになります。
フルボ酸・フミン酸の正体を知ることで、フルボ酸・フミン酸を美容と健康に役立てる知識を身につけることができるでしょう。
スポンサーリンク

フミン酸・フルボ酸とは

フルボ酸・フミン酸は「腐植物質」に含まれています。国際腐植植物学会(International Humic Substances Society)よると腐植物質は…

以下抜粋です。

Humic substances (HS) are major components of the natural organic matter (NOM) in soil and water as well as in geological organic deposits such as lake sediments, peats, brown coals and shales. They make up much of the characteristic brown color of decaying plant debris and contribute to the brown or black color in surface soils. They are major components of NOM in surface waters and at higher concentrations can impart a dark color, especially in brown fresh water ponds, lakes, and streams. In leaf litter or composts, the color may be yellowish-brown to black, depending on the degree of decay and concentration.

Humic substances are very important components of soil that affect physical and chemical properties and improve soil fertility. In aqueous systems, like rivers, about 50% of the dissolved organic materials are HS that affect pH and alkalinity. In terrestrial and aquatic systems HS affect the chemistry, cycling and bioavailability of chemical elements, as well as transport and degradation of xenobiotic and natural organic chemicals. They affect biological productivity in aquatic ecosystems, as well as the formation of disinfection by-products during water treatment.

Humic substances are complex and heterogeneous mixtures of polydispersed materials formed by biochemical and chemical reactions during the decay and transformation of plant and microbial remains (a process called humification). Plant lignin and its transformation products, as well as polysaccharides, melanin, cutin, proteins, lipids, nucleic acids, fine char particles, etc., are important components taking part in this process.

Humic substances in soils and sediments can be divided into three main fractions: humic acids (HA or HAs), fulvic acids (FA or FAs) and humin. The HA and FA are extracted from soil and other solid phase sources using a strong base (NaOH or KOH). Humic acids are insoluble at low pH, and they are precipitated by adding strong acid (adjust to pH 1 with HCl). Humin cannot be extracted with either a strong base or a strong acid.

Aquatic HS contain only HA and FA and these components are generally removed from water by lowering the pH to 2 and adsorbing both components on a suitable resin column. The HA and FA are extracted from the resin with strong base followed by lowering the pH to 1 to precipitate the HA. The resin column separation is also used to separate FA from the non-humic materials (amino acids, peptides, sugars, etc.) extracted from soils. At low pH the FA adsorbs on the resin, but non-humic materials pass through the column.

Humic substances are highly chemically reactive yet recalcitrant with respect to biodegradation. Most of the data on HA, FA and humin refer to average properties and structure of a large ensemble of components of diverse structure and molecular weight. The precise properties and structure of a given HS sample depends on the water or soil source and the specific conditions of extraction. Nevertheless, the average properties of HA, FA and humin from different sources are remarkably similar.

ここに書いてあることをできるだけシンプルに纏めると、「腐植物質は水生生態系の生物生産性に影響を与えるだけでなく、水質浄化の分解過程にも影響を与える大変重要な物質である。」ということです。

ここで言っている「影響」とはもちろん良い意味でしょう。

腐植物質が地球上のすべての生態系を健全に保つうえで大変重要な役割を果たしている、つまり、腐植植物から抽出したフミン酸フルボ酸は人や動物や植物にとって健康健全を維持する上でとても貴重な物質という解釈ができると思います。

国際腐植物質学会の説明からもう少し詳しく拾い出すと、

  • 腐植物質は、土壌・水中・地質学的有機堆積物、湖の沈殿物、泥炭、褐炭頁岩のような天然有機物(NOM)の主要成分である。その殆どは腐敗した植物の残骸の特徴的な色である茶色を呈する。土壌表面が黒や茶色に見えるのはその為である。淡水の池・湖・河川の水面においても腐植物質は主な成分であり、濃度が高い場合は水が黒っぽく茶色っぽく見える。落葉や堆肥の中では腐敗と混合比率によっては黄褐色であったり黒色であったりする。
  • 腐植物質は複雑であり、腐敗によっておこる化学的および化学的反応と、微生物の死骸の変化(腐植化作用と呼ばれるプロセス)によって形成される。これらに関与する重要な成分として、植物リグニン、リグニンが変化した物質、多糖類、メラニン、クチン、タンパク質、脂質、核酸、微細なチャー粒子(炭化物質?)、などがある。
  • 腐植物質は堆積物の中にある天然有機物(NOM)の主要成分であり、土壌肥沃度を改善する非常に重要な成分(物理的化学的性質に影響を与える)。
    • 河川などでは溶存有機物の約50%が腐植物質であり、pH(酸性度アルカリ度)に影響。
    • 地上の生態系システムおよび水中生態系システムでは、化学的性質、循環、化学元素のバイオアベイラビリティ、だけでなく、生体異物や天然有機化学物質の輸送や分解にも影響。

私はこれを読んで「凄い!」と思いました。フミン酸フルボ酸が生命の起源と繋がっているような、そして動植物、等々、の生体内活動が正しく行われるための重要物質のような、そんな印象です。

フミン酸・フルボ酸の抽出方法

国際腐植植物学会(International Humic Substances Society)よると

  • 腐植物質は土壌の有機物から抽出され、フミン酸(HAまたはHA)、フルボ酸(FAまたはFA)、フミン、という主に3つの物質に分けることができる。
  • 腐植物質に強塩基(NaOHまたはKOH)を用いるとフミン酸およびフルボ酸を抽出できる。
  • フミン酸とフルボ酸を分けるには強酸を使う。フミン酸は低pH(酸性)では不溶性であり、強酸を加えることにより沈殿する(HClでpH1に調整)。
  • フミンは強塩基または強酸に溶けない。

つまり、

腐植物質をアルカリで溶かせば「フミン酸・フルボ酸」と「フミン」に分けることができる。
「フミン酸・フルボ酸」が溶けている溶液に酸を加えると「フミン酸」と「フルボ酸」に分けることができる。

フルボ酸の作用

抗菌・殺菌作用

フルボ酸は抗菌・殺菌作用があります。エビデンスの参考として、Goole Patentsで検索表示される特許関連情報JP2008007451A)に記載の関連部分を以下に抜粋しました。

試験例1(抗菌・殺菌作用)
試験菌として大腸菌(Escherichia coli IFO 3972)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO 12732)を用いた。NA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))で35℃、16〜24時間培養した試験菌をNA培地に再度接種して35℃、16〜20時間培養した。この菌体を精製水に均一に分散させ、1mlあたりの菌数が約107となるようにした菌液を調製した。
試験液として、製造例1で得られたフルボ酸含有水性液(原液)、該原液を精製水で100倍に希釈した溶液を用いた。
前記試験液100mlに、前記菌液1mlを添加後、25℃で保存し、2時間、24時間および48時間後の生菌数をSA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))を用いた寒天平板培養法(35℃、2日間培養)により測定した。また、対照として、リン酸緩衝液に菌液を接種したものについても同様に試験した。
 大腸菌、黄色ブドウ球菌のいずれにおいても、生菌数が24時間後では殆ど0に近く、48時間後では0であったことから、本フルボ酸含有水性液は、殺菌効果がすぐれることがわかる

試験例2(抗菌・殺菌作用)
試験菌として緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa IFO 13275)を用いた。NA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))で35℃、16〜24時間培養した試験菌をNA培地に再度接種して35℃、16〜20時間培養した。この菌体を精製水に均一に分散させ、1mlあたりの菌数が約107となるようにした菌液を調製した。
試験液として、製造例1で得られたフルボ酸含有水性液(原液)、該原液を精製水で20倍に希釈した溶液を用いた。
前記試験液100mlに、前記菌液1mlを添加後、25℃で保存し、2時間、6時間および24時間後の生菌数をSA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))を用いた寒天平板培養法(35℃、2日間培養)により測定した。また、対照として、リン酸緩衝液に菌液を接種したものについても同様に試験した。
ルボ酸含有水性液の原液を用いた場合は、生菌数が2時間後で殆ど0に近く、殺菌効果があることがわかる。また、20倍希釈液の場合、24時間後でもゆるやかな殺菌を行っており、殺菌効果があることがわかる。

試験例3(抗菌・殺菌作用)
試験菌としてサルモネラ菌(Salmonella enteritidis IFO 3313)を用いた。NA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))で35℃、16〜24時間培養した試験菌をNA培地に再度接種して35℃、16〜20時間培養した。この菌体を精製水に均一に分散させ、1mlあたりの菌数が約107となるようにした菌液を調製した。
試験水として、製造例1で得られたフルボ酸含有水性液(原液)、該原液を精製水で20倍に希釈した溶液を用いた。
前記試験液100mlに、前記菌液1mlを添加後、25℃で保存し、2時間、6時間および24時間後の生菌数をSA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))を用いた寒天平板培養法(35℃、2日間培養)により測定した。また、対照として、リン酸緩衝液に菌液を接種したものについても同様に試験した。
フルボ酸含有水性液の原液を用いた場合は、生菌数が24時間後で殆ど0に近く、殺菌効果があることがわかる。また、20倍希釈液の場合、24時間後でも生菌数は増えておらず、抗菌効果があることがわかる。

試験例4(抗菌・殺菌作用)
試験菌としてメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)(Staphylococcus aureus IID 1677)を用いた。NA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))で35℃、16〜24時間培養した試験菌をNA培地に再度接種して35℃、16〜20時間培養した。この菌体を精製水に均一に分散させ、1mlあたりの菌数が約107となるようにした菌液を調製した。
試験液として、製造例1で得られたフルボ酸含有水性液(原液)、該原液を精製水で50倍、100倍に希釈した溶液を用いた。
前記試験液100mlに、前記菌液1mlを添加後、25℃で保存し、2時間、24時間および48時間後の生菌数をSA培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))を用いた寒天平板培養法(35℃、2日間培養)により測定した。また、対照として、リン酸緩衝液に菌液を接種したものについても同様に試験した。
フルボ酸含有水性液の原液を用いた場合は、生菌数が24時間後に0であり、MRSAに対して殺菌効果があることがわかる。また、50倍希釈液、100倍希釈液の場合、48時間後では生菌数が殆ど0に近く、殺菌効果があることがわかる。

試験例5(抗菌・殺菌作用)
試験菌としてバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)(Enterococcus faecium NCTC 12204)を用いた。TSA培地(トリプトソイ寒天培地(栄研化学株式会社製))で35℃、16〜20時間培養した試験菌をTSA培地に再度接種して35℃、16〜20時間培養した。この菌体を滅菌精製水に均一に分散させ、1mlあたりの菌数が約107となるようにした菌液を調製した。
試験液として、製造例1で得られたフルボ酸含有水性液(原液)、該原液を滅菌精製水で10倍、100倍に希釈した溶液にそれぞれウサギ血清(SIGMA CHEMICAL CO.)を3v/v%加えたものを用いた。
前記試験液100mlに、前記菌液1mlを添加後、25℃で保存し、3時間、6時間、24時間および48時間後の生菌数をTSA培地を用いた寒天平板培養法(35℃、2日間培養)により測定した。また、対照として、滅菌精製水にウサギ血清(SIGMA CHEMICAL CO.)を3v/v%加えた後、菌液を接種したものについても同様に試験した。
フルボ酸含有水性液の原液を用いた場合は、生菌数が48時間後にほぼ0となり、VREに対して殺菌効果があることがわかる。また、50倍希釈液、100倍希釈液の場合、48時間後でも生菌数が増えず、抗菌効果があることがわかる。

フルボ酸のその他の作用

抗ウィルス作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、疱疹1型および2型の治療、肝組織再生力UP、止血効果、カルシウムの吸収力UP、免疫力UP、抗放射線、等々あります。

一度に全てを記載するには時間がかかるので、随時更新することで情報の追加をしていきたいと思います。

今回の記事は以上、ここまでにさせて頂きます。